病院のベットで寝ながら,僕の心には不安ばかりが募っていった。
もう一度
今思うと情けない話だ。
焼け落ちた橋を渡るなんて誰が考えるだろう。
でも・・・・正直あの時の記憶はほとんどないんだ。
それだけで彼女を助けることに夢中だったんだろう。
真宵ちゃんが,僕のいないところで誰かに助けを呼んでいるかもしれない。
そう思うと焼け落ちた橋を渡るぐらいの覚悟は出来ていた。
実際,意識がハッキリした時には僕の体は重力に身を任せ,矢張が叫んでいる光景だけしか覚えていない。
その後,僕は背中に激しい痛みを感じすぐに意識は途切れた。
気づけば病院のベットの上。
高熱に犯されていた体もようやく楽になり始めた。
そうなると頭の思考回路もハッキリしてきて今の状況も大体御剣から聞くので,
今度は不安に犯され始めていた。
真宵ちゃんは・・・まだ救出されてないと。
事件が起きた時には修行は始まっていただろう。
と,なると彼女はいまだに寒い奥の院に閉じ込められているはずだ。
そして,もし犯人が奥の院にいたら・・・・・・
そう考えるだけで目の前がクラクラする。
こんなことなら,もっと早く気持ちを伝えておけばよかった。そう思った。
御剣の事件が終わって真宵ちゃんが倉院の里に帰った後,何故かやる気が出なくて
依頼を受けるきもなく,事務所にいても励ましてくれる助手もいない。
そんなとき,霧崎先生の件で倉院の里を訪れたとき,真宵ちゃんの元気そうな顔を見ただけで
今なら依頼でも何でも出来るって気がしたっけ。
それから真宵ちゃんは事務所の副所長として傍にいてくれて僕を支え続けてくれた。
そんな大切な人が今,命の危険にさらされているのにベットの上から動けない自分が情けなかった。
もう,こんな目にはあわせないって自分に約束したはずなのに・・・・
誰よりも大切な彼女が危険な目にあっているのに傍で守ってやれないのが悔しかった。
せめて,今日の午後までに回復すれば・・・・。
御剣なら今日の法廷を持ちこたえてくれるだろう。
真宵ちゃんのためにも僕は法廷に立たなければならないのだ。
そして・・・彼女が無事救出されたら今度こそ僕の気持ちを伝える。
だから・・・・生きて帰ってきてくれ・・・・! それが叶わないのなら,
もう一度だけ僕に笑ってほしい・・・・・・。
なるほど君独白。
3-5のなるほど君in病院。
初のナルマヨでした~☆